「どうしてそんなにネガティブに考えるの?」
うつ病の家族を支えていると、そう感じてしまう瞬間があるかもしれません。
実は、
それはその方の性格の問題ではないかもしれません。
うつ病では脳の働きが変化し、物事を悲観的に考えやすい状態になります。
この記事では、うつ病の人がネガティブに考えてしまう理由を、
薬剤師として、
また実際にうつ病の妻を支えている家族の視点からわかりやすく解説します。
なぜうつ病の人はネガティブに考えてしまうのか
うつ病の人がネガティブに考えてしまうのは、
単なる気持ちの問題や考え方の問題ではありません。
医学的には、いくつかの理由が重なって起こると考えられています。
脳の働きの変化
うつ病では、
脳内の神経伝達物質(セロトニンなど)の働きが低下していると言われています。
この状態になると、
- 不安を感じやすくなる
- 物事を悲観的に解釈する
- 将来に希望を持ちにくくなる
といった変化が起こります。
つまり本人の意思とは関係なく、
脳がネガティブな方向に考えやすい状態になっているのです。
思考の偏り(認知の歪み)
うつ病では
「認知の歪み」と呼ばれる思考パターンがよく見られます。
これは、簡単に言うと
「なぜそんなふうに考えてしまうんだ??」
という考え方をしてしまう状態のこと。
例えば、
- とても小さな失敗を「自分はダメだ」と過剰に感じ、自己否定する
- 良い出来事より、過剰に悪い出来事に注目する
- 将来を非現実的なまでに悲観的に考える
こうした思考は、本人も苦しい。
それでも、止められない。
病気の影響で、その考えから抜け出しにくくなるのです。
心のエネルギーが低下している
うつ病では、
心のエネルギーそのものが大きく低下しています。
人間は日ごろ、
元気なときなら
「まあ大丈夫だろう」
と楽観的に流していることがたくさんあります。
しかし、
エネルギーが低い状態では
「もうダメかもしれない」
と感じてしまう。
疲れていると、なんとなく不安になりやすい。
あれです。
それがずっと続いている状態だと理解してください。
つまりネガティブ思考は、
本人の弱さではなく、心のエネルギー不足の影響でもあります。
ずっと強制的にネガティブに考えさせられてしまっていて、
体力を消耗していると考えるとイメージしやすいかもしれません。
家族が感じる「なぜそんなに悲観的なの?」という疑問
うつ病の家族を支えていると、
こんな疑問を感じることはありませんか?
- そこまで悪い状況ではないのに悲観的になる
- どうしてそこまで自分を責めるのか
- 少し考え方を変えればいいのではないか
- 気分転換をしてみてはどうか
これは実際、
わたし自身が感じ、妻にぶつけてしまった言葉です。
頭では「病気」と理解していても、
ネガティブな言葉を聞き続けると戸惑ってしまうんですよね。
そして、なにか解決策を見つけてあげたくなる。
だからこそ、いろんなアドバイスをしてしまうものです。
それが相手の負担になるとしても。
支える側も感情を持った人間です。
ネガティブな発言や考え方が、
病気による症状であり、本人の気質によるものでもない
そう知っているだけで
少し納得しやすいのではないでしょうか。
うつ病のネガティブ思考は治るのか
ここで気になるのは、次の疑問じゃないでしょうか。
このネガティブ思考は治るのか。
結論から言うと、
うつ病の回復とともに、思考の傾向が変化することはあります。
具体的には次のような変化がありました。
- 極端な悲観的思考が減る
- 物事を冷静に考えられるようになる
- 未来について考えられるようになる
少しずつではありますが、
これは我が家の妻が実際に歩んだ軌跡です。
もちろん、回復のペースや経過は人によって異なります。
人それぞれだったとしても、
わたし個人としては、うつ病はちゃんと治っていく、
そう信じています。
そのためにも
家族としては、
「なぜそんなにネガティブなの?」
と責めるよりも、まずは病気の症状として理解することが大切だと感じています。
ネガティブ思考は「性格」ではなく「症状」
ここまでのまとめです。
うつ病の人がネガティブに考えてしまうのは、
- 脳の働きの変化
- 思考の偏り
- エネルギー低下
といった要因が重なって起こります。
つまり、本人がわざとそうしているわけではありません。
家族としてこのことを知っておくだけでも、受け止め方は少し変わるかもしれません。
うつ病の家族への接し方について詳しく知りたい方へ
ネガティブ思考が続くと、家族としてどう接すればいいのか迷うこともあると思います。
うつ病の家族との接し方については、こちらの記事で詳しくまとめています。
→ うつ病の家族への接し方【完全ガイド】

家族として知っておきたい考え方や、避けた方がよい対応についても解説しています。
ぜひこちらの記事も読んでみてくださいね。
わたしは
心がつらい方、
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