妻がうつ病だと診断されたとき、
「どう接すればいいんだろう」
「何を言えばいいんだろう」
何度もこの悩みにぶつかりました。
励ました方がいいのか。
そっとしておいた方がいいのか。
良かれと思って言った言葉が、
大切にしたい家族を傷つけてしまうことがたくさんあるんです。
うつ病は、外から見ると理解しづらい病気です。
そのため、善意の行動が逆効果になることも少なくありません。
この記事では、
うつ病の家族に対して「うつ病の家族にやってはいけない接し方5選」を整理していきます。
うつ病の家族への接し方が難しい理由
うつ病はよく
「気持ちの問題」
「気の持ちよう」
のように言われることがあります。
しかし、
医学的には
脳内の神経伝達物質(セロトニンなど)の働きが変化し、
意欲・感情・思考に影響が出る病気です。
薬剤師として医療の現場に関わっていても、
うつ病はとても難しい疾患だと感じます。
そして家族として関わると、
さらに難しさを実感します。
なぜなら、
「普通なら良いこと」が通用しないことがあるからです。
うつ病の家族にやってはいけない接し方5選
通用しない「普通なら良いこと」
それがなんなのか。
結局なにを気を付ければいいのか。
ここからは、うつ病の家族に対して
やってしまいがちなNG接し方をご紹介します。
多くは悪意ではなく、
むしろ優しさから出る行動。
だからこそ難しい。
だからこそ、
なぜ傷ついているのか
なぜ起こっているのか
分からない。
わたしと一緒に学んでいきましょう。
「がんばれ」という応援の言葉
内容は違えど、
励ましの言葉をかけてしまうことは多いのではないでしょうか。
- 頑張って
- 少しだけやってみたら?
- 意外と何とかなるよ
- ちょっとくらいは動いてみたら?
- 家族のためにやってみようよ
こんな言葉をかけたことはありませんか?
わたし自身、何度も妻に似たような言葉をかけてしまったことがあります。
うつ病の人は
頭の中で「自己否定」を繰り返しています。
頭の中は常に不安や恐怖、自己否定でいっぱい。
だからこそ、
常にぐったり疲れていることが多いんです。
その状態で励まされると
「頑張れない自分はダメだ」
と、さらに自分を責めてしまうことがあります。
わたしも最初は、
励ますことが正しいと思っていました。
でも実際には、
プレッシャーになってしまうことのほうが多かったんです。
「がんばれ」という言葉がNGな理由、じゃあどんな言葉をかけるのがいいか
こちらの記事でも詳しくまとめています。
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無理に気分転換させる
「外に出れば気分が変わるよ」
そんな気持ちで、声をかけたくなることがありますよね。
- 旅行
- 外食
- 散歩
これ自体はとても素晴らしい声かけだと思います。
ただ、冒頭でもお伝えしたように
うつ病は感情が平坦になるという症状があります。
言い換えれば、
うつ病では
何かを「楽しむ」ということが苦手になります。
適度な気分転換は、確かにいい効果もあります。
ですが、「無理な」気分転換は逆効果。
誘ってはみるが、
「気分転換できれば儲けもの」
そのくらいのスタンスが一番いいと、覚えておいてください。
論理的に解決しようとする
次のNG接し方はこちら。
「論理的に、合理的に解決をはかること」
物事をしっかりと論理的に解決していくことの
何がいけないの?
そう思う方も多いかもしれません。
「周りの人は、そんなに気にしていないよ」
「しっかり薬を飲んで、寝ている方がいいよ」
わたしは何度もこの言葉をかけてしまいました。
しかし、うつ病は論理で整理して解決する問題ではありません。
正しいことを言われても、感情がついてこず、受け入れられない。
うつ病とはそんな病気なんです。
そんな病気であるにもかかわらず、
正しさで解決をはかろうとしてしまうと
「理解してもらえない」
と感じさせてしまうこともあります。
本人が求めているのは、
答えではなく共感であることも多いのです。
正しさを提示するよりも、
まずは感情を受け止める。
それが回復への近道になりました。
気持ちを否定する
無意識に言ってしまう言葉があります。
これは悪意もないし、否定する意図もない。
私たちとしては、ただ事実を伝えているだけのつもり。
「そんなことないよ」
「考えすぎだよ」
実際そうなんです。
しかし、これらの言葉は
感情を否定された
と感じさせてしまうことがあります。
うつ病の人は、
自分の感情をうまく整理できないこともあります。
その中で否定されると、
孤独感が強くなることがあります。
「否定ではない」と思うその言葉を、
相手が「否定された」と感じることがあると気づくことが
第一歩なのかもしれません。
他人と比較する
これもよく言ってしまう言葉かもしれません。
「もっと大変な人もいるよ」
「みんな頑張ってる」
励ましのつもりでも、
他人との比較は何の意味もありません。
うつ病は努力不足ではなく、
感情やモチベーションのコントロールができなくなる病気です。
比較され傷つくことはあっても、
それで頑張ろうと思うことはありません。
比較という方法を使うのであれば、
前向きな使い方をおすすめします。
1か月前と比べると、動ける日が増えた。
昨日と比べると、今日は顔色がよかった。
そんな使い方が素敵です。
薬剤師として感じる「うつ病の本質」
薬剤師として患者さんと関わる中で感じるのは、
うつ病は
「気合いで乗り越えるものではない」
ということです。
抗うつ薬が使われるのは、
脳の働きに変化が起きているからです。
ただ、
医療だけでは足りません。
実際には
家族の存在が大きな支えになる
ことも多いです。
だからこそ、
家族の関わり方はとても重要になります。
大切にしたいからこそ、
「その言葉がNGなの?」
という知識を持っておくことはとても大切なことだと感じます。
うつ病の家族を支える人が知っておくべきこと
ここまで読んで
「じゃあ何をすればいいの?」
と思った人もいるかもしれません。
ここでお答えできるのは
接し方に完璧な正解はない
ということです。
わたしも、うつ病の妻を支える中で
何度も失敗しました。
それでも少しずつ、
「こういう関わり方の方がいいのかもしれない」
と学んでいきました。
うつ病の家族を支えることは、
決して簡単ではありません。
支える側も消耗します。
だからこそ
完璧を目指さなくていい
そう思っています。
この記事を読んでいるあなたは、
家族を大切にしたい方です。
その思いをもつあなたが側にいる。
それはきっと、とても大きな励みになっています。
まとめ
うつ病の家族に対しては、
良かれと思った行動が
逆効果になることがあります。
たとえば
- 励ます
- 気分転換を勧める
- 論理的なアドバイス
これらは一般的には良いことです。
しかし、
うつ病の状態では負担になることがあります。
大切なのは、
理解しようとする姿勢
なのかもしれません。
支えることは簡単ではありません。
それでも、
試行錯誤しながら関わっていくことが
きっと大切なのだと思います。
最後までご覧いただき、ありがとうございます。
今回の記事は
下記の記事の一部を詳しく解説させていただたものになります。
ぜひこちらの記事もご覧いただければと思います。

あなたと、あなたの家族が
「幸せな未来」に進んでいけますように。
もちお
