なんだか落ち着かない。
理由ははっきりしないけれど、胸のあたりがざわざわする。
そんなときに役立つのが、グラウンディングという方法です。
この方法は足の裏や目に見えるものに意識を向けることで、
不安でいっぱいになった頭を「今ここ」に戻す心理テクニックです。
この記事では
- グラウンディングとは何か
- なぜ不安に効果があるのか
- 30秒でできる簡単な方法
これらを、薬剤師の視点も交えてわかりやすく解説します。
うつ病の妻を支える薬剤師もちおです。
心がつらい方、支える家族の方、
どちらの気持ちも大切にしながら
「家族の未来」を守るための活動をしています。
グラウンディングとは?
グラウンディングとは、
意識を「今この瞬間」に戻す心理的な方法です。
人が不安を感じるとき、
意識は
過去の出来事
まだ起きていない未来
へと飛びやすくなります。
例えば
「また同じことが起きたらどうしよう」(過去)
「この先ずっとつらいままだったらどうしよう」(未来)
こうした考えが続くと、不安はどんどん大きくなってしまいますよね。
この状態を過去・未来に意識が飛んでいる状態と呼びます。
我が家の妻も、
対人関係について、「なにか失敗してしまったかもしれない」という思考に囚われてしまうことがあります。
ママ友に、もしかしたら失礼なことを言ってしまったかもしれない。
そんな過去への不安って誰しもが経験したことがありますよね。
グラウンディングは、
体の感覚や周囲の環境に意識を戻すことで、過去や未来への思考のループから少し距離を取る方法です。
心理療法では
認知行動療法(CBT)
マインドフルネス
などの中でも使われる考え方で、不安やストレスへの対処法として知られています。
次はなぜこの方法が、不安を消し去る効果があるのか、
少し専門的な視点で考えてみましょう。
なぜグラウンディングは不安に効果があるのか
不安が強くなると、脳の中では扁桃体(へんとうたい)という部分が活発になります。
扁桃体は、危険や恐怖を察知する役割を持つ場所。
ストレスが続くと、この部分が過敏になり、
まだ起きていない出来事にも「危険だ」と反応してしまうことがあります。
つまり、不安を持ち続けるほどに、不安を感じやすくなる負のループが存在するのです。
不安は「未来」や「過去」に意識が向くことで強くなる
さきほどもお話ししたように
不安なとき、人の意識は
未来への心配
過去の後悔
に引っ張られます。
その結果、頭の中で同じ考えがぐるぐる回り、不安がさらに強くなる。
さらに強くなった不安は、つぎの心配を生み、
どんどん心配性の道を突き進むことになります。
だからこそ、
過去でも、未来でもない、
「今」に戻ってくることが、
このループを抜け出す唯一の方法になるんです。
体の感覚に意識を向けると脳が落ち着く
その「今」に戻る方法がグラウンディング
方法はとても簡単です。
足の裏の感覚や、目に見えるものに意識を向けること。
たったこれだけ。
これだけのことで、
脳の前頭前野(ぜんとうぜんや)という部分が活発になることが知られています。
前頭前野は
- 感情を落ち着かせる
- 思考を整理する
そんな働きを持っています。
体の感覚に意識を向ける
↓
前頭前野が活発になる
↓
感情が落ち着く
↓
過剰な不安が止まる
そんなメカニズムでグラウンディングは
心を落ち着かせる効果を発揮します。
30秒でできるグラウンディングの方法
では、実際にどうやるのか。
ここで、とても簡単な方法をご紹介します。
30秒ほどでできるグラウンディングです。
- 椅子に座るか、立ったままでOK
- 足の裏にぐっと体重を乗せる
- 「今、目に見えるもの」を3つ心の中で唱える
たったこれだけ。
少しだけ補足しましょう。
今、目に見えるものとは
例えば
- 机
- 壁
- スマホ
このように、目に入ったものをゆっくり確認してください。
ポイントは、正解を探そうとしないことです。
ただ「見えているもの」に意識を向けるだけで大丈夫です。
頭の中が不安でいっぱいなとき、
「意識は未来や過去へ飛んでいる」でしたよね。
足の裏や周囲の物に注意を向けることで、自然と意識が「今」に戻ってきます。
足の裏と、目に見えるもの、この2点に集中することが大切です。
寝たままでもできるグラウンディング
もし、起き上がること自体がつらいときは、寝たままでも大丈夫です。
例えば
- 背中と布団の感覚
- 枕のやわらかさ
- 手のひらの温かさ
こうした体の感覚に意識を向けてみてください。
体のどこかに「重さ」や「触れている感じ」を見つけるだけでも、グラウンディングになります。
なぜなら、本質としては
「今」この瞬間に意識を集中できさえすればなんでもいいからです。
つらいときは、できる範囲で十分です。
悩みから意識を逸らす。現実に意識を戻すことができればいいのです。
他にもあるグラウンディングの方法
このほかにも、グラウンディングには、いくつかのバリエーションがあります。
ここでは代表的な方法を紹介します。
5-4-3-2-1法(五感グラウンディング)
五感を使うグラウンディングです。
これは今まで紹介したものより、少しだけ複雑です。
複雑だからこそ、集中する。
集中するからこそ、悩みから抜け出しやすい。
そんな方法。
- (視覚)見えるものを 5つ
- (触覚)触れられるものを 4つ
- (聴覚)聞こえる音を 3つ
- (嗅覚)感じる匂いを 2つ
- (味覚)味を 1つ
この順番で意識を向けていきます。
聞こえる音を5つ、から始めても構いません。
なにから感じてもいいのです。
大切なのは5→4→3→… と数を減らしていくこと。
五感を意識的に使うことで、思考から意識を離し「今ここ」に戻る助けになります。
次は何個だっけ? と考えることが、思考を戻す助けになるはずです。
呼吸に意識を向ける方法(マインドフルネス呼吸)
呼吸に注意を向ける方法も、「今この瞬間」に意識を戻す方法としてよく使われます。
マインドフルネスや瞑想 とも呼ばれる方法です。
やり方はシンプルです。
- ゆっくり息を吸う
- ゆっくり吐く
- 呼吸のリズムに意識を向ける
呼吸(吐く息)に注意を向けることで、体の緊張がゆるみやすくなります。
慣れてきたら、吸う→吐くを1セットとして、10セットやってみてください。
実践している間に、何度も不安や悩みが頭をよぎるはずです。
そうなれば、また呼吸に意識を集中する。
これができるようになると、日常生活の中でいつでも悩みを切り離すことができるようになります。
我が家の妻も、このマインドフルネスを練習中です。
グラウンディングはこんなときにおすすめ
グラウンディングは、次のような場面で役立つことがあります。
- 不安が急に強くなったとき
- パニックになりそうなとき
- 気持ちが落ち着かないとき
- 寝る前に考えすぎてしまうとき
完全に不安をなくす方法ではありませんが、不安の波を少し小さくしくれます。
不安になればこの方法がある。
そう思えると少し気分が楽になりませんか?
完全に落ち着かなくても大丈夫
グラウンディングは、魔法のように不安が消える方法ではありません。
それでも
「さっきより少し静かかも」
「ほんの少し落ち着いたかも」
そう感じられたなら、それで十分です。
不安があるとき、人はどうしても自分を責めてしまいがちです。
でも、落ち着こうとしたその行動自体が、とても大切な一歩です。
もしよかったら、
その小さな「落ち着いた感覚」だけ、覚えておいてくださいね。
【こちらの記事もおすすめ】



コメント